収入が少なくてもお金が貯まる 家計における固定費・変動費

お金を貯めたいと思っていても、毎月いろいろと使っていって、月末にふと気づくとほとんどお金が残っていない。

今月は節約したはずなのに、なぜか残高を確認すると思ったより減っている。

そんなことはありませんか?

でも、いつかはその状態を抜け出さないと貯金をしていくことはできません。

これから貯金はじめるにあたって最初にやるべきことは、自分の収入と支出を把握し、きっちりと毎月残していくことです。

何にいくら使っているのか、節約できるものはないか、頑張れば毎月いくらためられるのか、きちんと計算して貯金生活に挑みましょう。

今回は、家計管理のポイントを私の一人暮らし一年目の収支を参考に解説していきます。

※最後に社会人一年目の家計シミュレーションをつけています。

家計管理で大切なこと3つ

家計管理で大切なことは、以下の3つです。

1.自分の収入と支出を把握しよう

2.固定費(どうにもならない支出)と、変動費(節約できるもの)を区別しよう

3.時期の決まった支出に備えて、毎月いくら貯めるか考えよう

順番に解説いたします。

1.自分の収入と支出を把握しよう

あなたは自分の収入を把握していますか?把握できているなら貯金へ向けてすでに一歩進んでいますし、把握できていない方はとりあえず毎月給与明細をみることからはじめてください。

税金や保険料等引かれるものもたくさんありますが、詳細は割愛します。気になる方はこちらもご覧ください。

別記事:貯金の基本は収入の把握から!給与明細の見方を説明します。

今把握すべきなのは、税金等を引かれたあと、最終的に何円が振り込まれたかということです。いわゆる手取りです。

給料の中に残業代や夜勤手当等が含まれていて、毎月の収入が一定ではない方もいるかもしれません。そのような場合は、最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分の給与明細をチェックして、手取りが一番少ない月、手取りが一番多い月、手取りが平均的な月を把握しましょう。

それでは、私が一人暮らしをはじめた時の実際の数字をもとにご説明いたします。

収支種別内容金額
 収入給与(手取) 135,000円
 支出住居費(家賃) 65,000円
 支出光熱費 12,000円
 支出携帯・ネット 12,000円
 差引収支 46,000円
2000年頃ですので、格安SIM等はない時代でした

この、差引収支 46,000円が私の1ヶ月分の生活費です。この中から、食費、服飾費、交際費、雑貨、趣味その他諸々すべて支払っていかないといけません。私の場合は職場が飲食店ということもありお昼は賄いが出たため、そこは少し楽ができました。

決してゆとりのある家計ではありませんでしたが、2年後には賃貸の更新があり、更新料は家賃2か月分必要でした。24ヶ月で13万円貯めないといけないので、毎月1万円は貯蓄にまわし、使えるお金は実は36,000円です。

実際は2年経つ前に転職して収入も増えたのでこれより少し楽にはなりましたが、この状況でも借金等はせず、2年後に備えて無事お金を貯めることができました。

このように、まずは自分の収入と支出を確認し「1ヶ月に何円まで自由につかうことができるのか」を把握することが、貯金へ向けた第一歩になります。これができていないと、株や投資信託をはじめることもできません。

2.固定費(どうにもならない支出)と変動費(節約できるもの)を区別しよう

次に大切なのは、固定費(どうにもならない支出)と、変動費(節約できるもの)を区別して家計管理を行うことです。会社経理上も固定費、変動費という概念がありますが、家計での考え方は会社経理とは異なりますので、いったんそちらは忘れてください。

家計における固定費と変動費は以下のように分けます。

家計における固定費の主な例

・家賃

・水道代、電気代、ガス代等の光熱費

・インターネット、スマホ代等の通信費

・奨学金返済

・医療費(定期的に通院が必要な場合)

・自動車、バイク等のローンや保険料

・自動車、バイク等のガソリン代(通勤に使う場合)

・保険料

家計における変動費の主な例

・食費

・消耗品費(ティッシュ、洗剤など)

・服飾費

・家電の購入

・旅行、友人との外食等の交際費

・趣味に使うお金

・自動車、バイク等のガソリン代(通勤に使う場合を除く)

・医療費(突発的な場合)

・Amazon Prime、Netflixなどのサブスク

家計における固定費、変動費の考え方については次で説明します。

家計における固定費とは

さきほどの区分けで、固定費の中に電気代等の変動するものが含まれているのは変だと思いましたか?

家計における固定費とは「毎月の支出額がほぼ固定かつ支出必須なもの」としています。

電気代は変動はしますが0円にすることはできませんし、節約するにも限界があります。そのため固定費としています。

固定費については、毎月細かく意識する必要はありません。なんとなく全部で何円くらいかを理解していれば十分です。

ただし、新たな固定費を決定する場合や、金額を増やす場合は慎重に検討してください。

たとえば転居して家賃が5,000円増えるとします。たかが5,000円と思うかもしれませんが、途中で高いと思っても簡単に引っ越すこともできず、家賃は節約もできません。固定費が月5,000円増えるということは、年間60,000円の支出が増えるということです。固定費の5,000円と変動費の5,000円では重みが違うことを覚えてください。

家計における変動費とは

家計における変動費とは「支出の増減がコントロール可能であり、支出しない場合もあるもの」としています。

代表的なものは食費です。

食費は必ず発生する支出なので固定費では?と思った方もいるかもしれまんが、人により支出の差が大きく、節約の余地もありますので変動費としています。

また、Amazon PrimeやNetflixは定額ですが、変動費にしています。毎月の料金が同じなので一見固定費にも見えますが、必須ではないこと、サービスを解約しようと思えばいつでも解約できることから変動費としています。

変動費については、何にどの程度使うかという予算立ても必要ですし、月の途中でどのくらい使ったのかを把握することも大切です。

たとえば、月に使えるお金36,000円のうち、食費を20,000円で計上したとします。これを30日で計算すると、1日に使える食費は約666円になります。かなり厳しいですが、もしこのように予算立てをしたのであれば、それを達成しないといけません。もし月の途中で使いすぎてしまったことに気づいた場合は、後半節約するなどでなんとか予算内におさめてください。

自炊する、お弁当を作る、半額セールを狙う、夜の食事量を減らす、方法は何でもいいので、1日平均の食費が666円になるプランを考えてみましょう。

出来る!と思ったらそれを実行してください。無理だと思ったら、そもそも食費を月20,000円と計上したこと自体を見直してください。

他の項目も同じような形で毎月の支出の目安を計上していきましょう。また、毎月必ず発生しないものや増減の大きいものについては、平均額を予算化してください。

たとえば、服飾費は発生しない月もありますし、発生する月には1ヶ月の予算を超過してしまうかもしれません。こういったケースでは、年間で購入する服飾費を想定し、月単位に分割して予算を計上します。たとえば、年間で60,000円程度服を購入する想定であれば、服飾費の月間予算は5,000円です。

固定費と比較すると変動費は見込みをたてるのが難しいのですが、だからこそしっかりと把握しなければいけません。

3.時期の決まった支出に備えて、毎月いくら貯めるか考えよう

時期の決まった大きな支出がある場合、何も準備していないと支払いの際に残高が不足するかもしれません。想定できる支出であれば、毎月何円ずつ貯めていけばその額に届くかきちんと計算ししましょう。

たとえば、一人暮らしであればだいたい2年に1回、更新料の支払いがあります。この場合、更新料を24ヶ月でわって、毎月その額を貯金してください。更新直前に残高が足りないことに気がついても、残念ですがもう手遅れです。

現在ご実家の方も、一人暮らしをするつもりでしたら、時期を決めてそれに備えて貯めていきましょう。お金が貯まったらそのうち引っ越す、ではなかなか貯まりません。

他にも、たとえば旅行に行きたいのであれば旅行予算を事前に計算したり、金額の大きな買い物や、結婚費用など、想定される支出に備えて計画的に貯めていくことが大事です。

社会人一年目の一人暮らしの家計をシミュレーション

それでは、社会人一年目を想定して、収支のシミュレーションを行ってみましょう。

大卒初任給の平均、月給226,000円で一人暮らしを想定してみます。

残業代、資格手当て等がないと仮定すると、手取りは19万円を少し下回るくらいです。

給与明細の見方についてはこちらでも説明しています。別記事:貯金の基本は収入の把握から!給与明細の見方を説明します。

予算計上の順序ですが、まずは固定費を金額の大きい順に計上し、その後変動費を重要度の高い順番に計上します。

収支種別内容金額
収入給与(手取)190,000円
支出:固定費住居費(家賃)
支出:固定費光熱費(電気、ガス、水道)
支出:固定費通信費(スマホ等)
支出:変動費食費
支出:変動費消耗品費
支出:変動費服飾費
※すでに一人暮らしをしている方は自分の数字いれてみましょう

まずは重要度の高いものから予算を決めていきます。

住居費はもっとも支出が大きく、引越しも簡単にはできないため、慎重に検討しなければいけません。築年数、広さ、駅からの距離など様々な条件があるため標準を出すのも難しいのですが、東京の家賃相場等をもとに75,000円で計上してみます。

光熱費は季節や自炊の有無等でも異なりますが、私の過去の経験から、電気代月7,000円、水道代月4,000円、ガス代月4,000円、合計15,000円とします。夏冬は電気代は増えますし、在宅勤務が多ければ全体的にもっと増えるでしょう。自炊しない方はガス代は半分くらいになるかもしれません。昨今の資源高騰と今後の値上がりも考慮し少し高めに設定しました。

通信費は格安SIMとして、月3,500円、自宅にインターネット回線はひきません。

これで主な固定費の金額は確定しましたが、奨学金の返済や保険料、バイク・自動車のローンなどがある方はここに追加してください。

そして次は変動費でもっとも重要な食費の予算を計上します。平日は週5日勤務とし、お昼にお弁当は作りません。夜は外食やコンビニ等を想定しています。

内容回数(1週)金額(単価)金額(月間合計)
平日ランチ5回850円18,275円
平日朝食5回400円8,600円
平日夕食4回850円18,275円
平日夕食(休日前)1回1,800円7,740円
休日朝食・昼食2回1,000円8,600円
休日夕食(普通)1回850円3,655円
休日夕食(豪華)1回2,000円8,600円
合計73,375円
※1ヶ月は4.3週で計算

一人暮らしの食費目安は国の統計調査等を参考にすると40,000円以下ですが、休みの前日と、休日のうち1回くらいは美味しいものを食べたいですよね?というわけで、少し高めにはなりましたが上記のように計上しました。

私は食べるのが好きで量も多めなので上記のようになってしまいましたが、普通の方ならもう2~3万は減らしてもいいかもしれません。

その他、消耗品代は月2,000円で計上します。女性は化粧品代も追加してください。

服飾費は難しいところですが、スーツや靴など仕事で使うものはすでに購入済みとして、月4,000円とします。服が好きな方は、仕事で使う服飾費と趣味の服飾費を分けて計上するとよいでしょう。

重要度の高い変動費が確定したところで、今の予算を確認します。

収支種別内容金額
収入給与(手取)190,000円
支出:固定費住居費(家賃)75,000円
支出:固定費光熱費(電気、ガス、水道)15,000円
支出:固定費通信費(スマホ等)3,500円
支出:変動費食費73,375円
支出:変動費消耗品費2,000円
支出:変動費服飾費4,000円
残額16,755円

食費は多めに計上しましたが、他の項目は一般的な金額です。それなのに16,755円しか残りません。仮に食費を2万円削ったとしても、36,755円です。改めてみると初任給で生活を続けていくのは本当に大変なことがわかりますね。友人と飲みに行けるのも多くて月2~3回までといったところでしょうか。

あとはここに、趣味や貯蓄の費用を追加で計上してください。趣味にもっとお金を使いたいのであれば、家賃や食費など金額の多い項目の予算額を減らすのもいいでしょう。

また、病気などで急な出費が必要になることもあります。すべて使い切ってしまうと想定外の支出に対応できませんので、貯蓄の少ないうちは最低でも月5,000円は残すように予算計上してください。ぎりぎりですと、想定外の支出があった際に対応できません。

「3.時期の決まった支出に備えて、毎月いくら貯めるか考えよう」でも説明したとおり、時期の決まった支出があれば、それに備えて毎月お金を貯めていくことも忘れないでください。

支出についてしっかりとした把握を行うことは重要ですが、収入が変わらない限りは限界があります。

収入を増やす転職にご興味のある方は、お時間のあるときにこちらもご覧ください。

別記事:最低3年働け!は正しい?短期間での転職を可能にする方法

まとめ

今回は家計管理のポイントと、家計における固定費、変動費について説明しました。

皆さんもぜひ、ご自身の家計を見直し、無理のない貯蓄を目指してみましょう!

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