資格を使った転職 未経験でも取得可能な士業一覧
今よりいい会社に転職しようと思っていても、経験や資格が足りなくて、書類選考を通過できない。
今の自分では同待遇程度の仕事しか選べず、何か資格を取得したいけど、何をとればいいのかわからない。
そんなことはありませんか?
資格はあれば必ず転職に成功するというわけではありませんが、それでも資格があるのとないのとでは、選択肢が変わってきます。
今回は、未経験職種に使える資格について説明します。
資格ではなく、面接が不安な方はこちらをご参照ください。
別記事:今すぐできる面接対策 内定率50%超えの面接テクニック
(目次)
転職に役立つ資格を取得するなら士業がおすすめ
国家資格から民間資格、趣味でとるような資格まで色んな資格がありますが、転職活動を目的に資格を取得するなら「士業」がおすすめです。
士業とは「弁護士」「医師」等の、士(または師)がつく資格で、そのほとんどは国家資格です。
多くの士業では、その資格者がいない限り業務が出来ないなどの制限があるため、常に一定の需要があります。
士業についてより深く知りたい方はこちらをご参照ください。
士業の受験資格
転職のための資格取得には士業がおすすめですが、受験資格が必要な士業もあります。
受験資格のある資格の代表例は「医師」です。
医師国家試験を受験するには、医学部を卒業する必要がありますので、医学部卒以外の方は受験することすらできません。
受験要件のある資格を取得するにはお金も時間もかかりますので、転職を目的に資格を取得する場合は受験資格がないものを目指しましょう。
なお、昨今の傾向として、受験資格は撤廃または緩和されることが多いようです。
受験資格を満たしていないから諦めていた資格に挑戦できるようになっているかもしれませんので、受験資格がなくあきらめたことがある方は、もう一度チェックしてみてください。
独占業務のある士業を狙おう
同じ士業でも、独占業務のある資格と、独占業務のない資格があります。
独占業務とは、その資格者にしかできない業務のことです。
医師を例に紹介しますと、診療行為は医師にしか行えない業務で、他の方が変わりに行うことはできません。
そのため、一定以上の需要が常にありますし、病院も医師が0人では運営できませんので、必ず医師を確保します。
逆に独占業務のない資格もあります。
たとえば「マンション管理士」は、独占業務がなく、会社に資格者が1名もいなくてもマンション管理業務を行うことができます。
独占業務がない資格については、会社としてもそれほど重要視していない場合がありますので、転職目的で取得するのであれば「独占業務のある士業」がよいでしょう。
士業一覧
受験要件の有無や資格の難度を含め、士業の一覧を作成しました。
今回は「資格名」「受験資格」「合格率」「独占業務の有無」の4項目を記載しました。
資格の種類が多いため、今回はひとつひとつ掘り下げることはしていませんが、興味のある資格があればぜひ資格取得について検討してみてください。
※受験資格が複雑なものについては、可能な限りリンクを貼りました。
※学科と実技等の試験を分けて実施するものについては、両方の合格率を記載しました。
資格名 | 受験資格 | 合格率(直近年度) | 独占業務の有無 |
---|---|---|---|
司法・法律系 | |||
弁護士 | 指定学科を修了または予備試験合格 | 45.52% | ○ |
司法書士 | なし | 5.1% | ○ |
弁理士 | なし | 6.1% | ○ |
社会保険労務士 | あり | 5.3% | ○ |
行政書士 | なし | 11.18% | ○ |
通関士 | なし | 15.8% | ○ |
土地家屋調査士 | なし | 10.46% | ○ |
海事代理士 | なし | 55.3% | ○ |
会計・コンサルティング系 | |||
公認会計士 | なし | 21.6% | ○ |
税理士 | あり | 18.8% | ○ |
中小企業診断士 | なし | 18.3% | |
ファイナンシャル・プランニング技能士1級 | 2級を取得 | 11.8% | |
建築・不動産系 | |||
一級建築士 | 指定学部卒、実務経験等 | 9.9% | ○ |
二級建築士 | 指定学部卒、実務経験等 | 23.6% | ○ |
木造建築士 | 指定学部卒、実務経験等 | 33% | ○ |
建築設備士 | 指定学部卒、実務経験等 | 13.8% | |
一級施工管理技士 | 学科により実務経験年数が変動 | 52.4% | |
二級施工管理技士 | 学科により実務経験年数が変動 | 52.9% | |
宅地建物取引士 | なし | 15.6% | ○ |
土地改良換地士 | なし | 35.0% | |
土地区画整理士 | 学科により実務経験年数が変動 | 33.1%・51.5% | |
不動産鑑定士 | なし | 36.3%・16.7% | ○ |
マンション管理士 | なし | 9.9% | |
土木・技術系 | |||
技術士※5 | 実務経験が必要 | 11.6% | |
土木施工管理技士1級 | 実務経験が必要 | 22.2% | |
測量士 | なし | 14.4% | ○ |
気象予報士 | なし | 4.9% | |
海技士 | ※1 | ※1 | ○ |
潜水士 | なし | 75.8% | |
発破技士 | なし | 67.9% | |
クレーン・デリック運転士 | なし | 57.4%・48.1% | |
移動式クレーン運転士 | なし | 64.4%・64.2% | |
揚貨装置運転士 | なし | 80.5%・91.2% | |
ボイラー技士 | 級による | 21%・48%・53.4% | |
ボイラー整備士 | なし | 59.4% | |
特別ボイラー溶接士 | 実務経験、普通ボイラー溶接士取得 | 71.3%・90% | |
計量士 | なし | 16.4%・21% | ○ |
エネルギー管理士 | なし | 31.9% | |
作業環境測定士 | 指定学部卒、実務経験等 | 36.5%・59.4% | |
臭気判定士 | なし | 29% | |
液化石油ガス設備士 | なし | 33.5% | ○ |
消防設備士 甲種 | 学歴、乙種合格等 | 34.6% | ○ |
電気工事士 | ※2 | ※2 | ○ |
無線技術士 | ※3 | ※3 | ○ |
無線通信士 | ※3 | ※3 | ○ |
自動車整備士 | ※4 | ※4 | |
浄化槽管理士 | なし | 20.8% | |
IT・サイバーセキュリティ系 | |||
情報処理安全確保支援士 | なし | 19.2% | |
技術士情報工学部門 | 技術士合格および実務経験 | 7.8% | |
語学系 | |||
全国通訳案内士 | なし | 9.1% | |
医療・福祉・衛生系 | |||
医師 | 指定学科卒業等 | 91.7% | ○ |
歯科医師 | 指定学科卒業等 | 61.6% | ○ |
獣医師 | 指定学科卒業等 | 80.3% | ○ |
薬剤師 | 指定学科卒業等 | 68.2% | ○ |
看護師 | 指定学科卒業等 | 91.3% | ○ |
診療放射線技師 | 指定学科卒業等 | 86.1% | ○ |
臨床検査技師 | 指定学科卒業等 | 75.4% | ○ |
臨床工学技士 | 指定学科卒業等 | 80.5% | ○ |
救急救命士 | 指定学科卒業等 | 91.3% | ○ |
理学療法士 | 指定学科卒業等 | 79.6% | ○ |
作業療法士 | 指定学科卒業等 | 80.5% | ○ |
言語聴覚士 | 指定学科卒業等 | 75% | ○ |
視能訓練士 | 指定学科卒業等 | 91.1% | ○ |
義肢装具士 | 指定学科卒業等 | 68.5% | ○ |
柔道整復師 | 指定学科卒業等 | 66% | ○ |
社会福祉士 | 指定学科卒業等 | 31.1% | |
精神保健福祉士 | 指定学科卒業等 | 65.6% | |
歯科衛生士 | 指定学科卒業等 | 93.3% | ○ |
歯科技工士 | 指定学科卒業等 | 95.8% | ○ |
鍼灸師 | 指定学科卒業等 | 74.2%・76.1% | ○ |
あん摩マッサージ指圧師 | 指定学科卒業等 | 84.7% | ○ |
保育士 | 学歴、実務経験による | 19.96% | |
栄養士 | 指定学科卒業等 | 試験なし | |
管理栄養士 | 栄養士の実務経験 | 65.1% | |
介護福祉士 | 福祉系学科卒、実務経験等 | 72.3% | ○ |
理容師 | 指定学科の専門学校卒業 | 71.3% | ○ |
美容師 | 指定学科の専門学校卒業 | 60.5% | ○ |
クリーニング師 | 中学卒業以上 | 60.6%(東京) |
※2 電気工事士は細分化されており記載しきれないため、興味のある方はこちらをご参照ください wiki 電気工事士
※3 無線技術士および無線通信士は細分化されており記載しきれないため、興味のある方はこちらをご参照ください 日本無線協会
※4 自動車整備士は細分化されており記載しきれないため、興味のある方はこちらをご参照ください 日本自動車整備振興会連合会
※5 技術士は一次試験合格後、実務経験等の条件を満たせば様々な部門の2次試験に挑戦できます
資格を使った転職を目指す場合、受験資格があるものですと資格取得まで時間がかかってしまいますので、まずは受験資格がないものを目標にするといいでしょう。
実務経験が必要な資格を目指す場合は、とりあえず給与面などの条件は重視せずにどこかの会社に未経験で入社し、実務経験を経て資格を取得し、より条件のいい会社に転職するという手もあります。
合格率が高い資格は簡単に思えるかもしれませんが、あくまで参考程度にしてください。
たとえば、司法試験の合格率は45.52%ですが、受験資格を満たすまでの道のりが険しく、決して簡単ではありません。(国家試験最難関とも言われています)
また、本当に合格率が高く簡単な試験の場合、資格を取得しても希少性が低くそれほどアピールになりません。
転職活動に資格は必須?
転職活動をするには資格があった方がいいことは間違いありませんが、一部の業種を除いて必須ではありません。
若いうちは資格がなくても、入社後に勉強させてくれるケースもあります。
転職においては若さも武器になりますので、資格取得のために数年かけるくらいでれば、無資格で転職を目指したほうがいいケースもあります。
資格があれば強みにはなりますし、選択肢も増えますが、資格取得が最良・最短の転職とは限りませんので注意しましょう。
資格の取得をおすすめしたいのは以下のようなケースです。
・現職を継続しながら、1~2年以内に取得の見込みがある
・まったく違う業界なので、転職活動に自信がない
・今の仕事を辞めるかどうか決めていないので、とりあえず転職の準備だけしておきたい
今の会社で必要な資格も取得しておこう
今の業界からまったく違う業界への転職を考えている場合、今働いている会社で使う資格は不要でしょうか?
応えは「NO」です。
確かに今の仕事で使う資格を取得したとしても、業界を変われば不要になります。
ですが、資格を取得したということは今の仕事での1つの成果になりますし、次の仕事でも新たな資格を取得できる能力があることのアピールになります。
逆に言えば、今の仕事でかなり一般的な資格があるにもかかわらず、数年間働いていてその資格を取得できていない場合、学習能力や仕事への意欲が低いと思われる可能性もあります。
いつか今の仕事を辞めるつもりであっても、可能であれば資格は取得しておきましょう。
確実に試験に合格するためには、資格スクールに入ろう
転職活動で資格があれば強みになるとわかっていても、仕事も忙しく、なかなかまとまった勉強時間をつくるのも難しいですよね。
先ほども説明しましたとおり、転職では資格や経験も重要ですが、年齢もポイントになってきます。
年に1回しか試験がない資格に落ちてしまうと、次の試験まで1年待たないといけません。
短期間で確実に合格するためには、資格取得のスクールや通信教育がおすすめです。
最後に、おすすめの資格取得のスクールや、通信教育をご紹介します。
LECオンライン(東京リーガルマインド)
誰もが知っている、資格取得スクールの最大手のLECオンライン(東京リーガルマインド)です。
今回ご紹介した士業はもちろん、民間資格や公務員試験などの幅広いラインナップがあります。
インターネットによるWeb通信講座、音声ダウンロード講座、スマートフォン講座などもありますので、通勤途中やお風呂の時間など、隙間時間に勉強を進めていけるのも「LECオンライン」の特徴です。
ちなみに私も、10年ほど前にLECで資格を取得しています。
資格試験のオンライン対策サイト【資格スクエア】
資格試験のオンライン対策サイト【資格スクエア】は、店舗や校舎をもたず、オンラインに特化した資格サイトです。
固定費を削減することで金額をおさえていますので、資格の勉強にあまりお金をかけたくない方にもおすすめです。
校舎はなくても「みんなの質問を共有できるみんなの質問機能」や「受講生同士のオンライン単語帳の共有機能」など、他の受講生との情報共有ができるようになっています。
様々な資格学習が1,078円でウケホーダイ!【オンスク.JP】
【オンスク.JP】では、月額 1,078円で60講座以上の資格学習コンテンツが利用可能です。
同時に様々な資格の受講が可能ですので、どんな資格を目指すのかも決まっていないような場合、色んな資格の勉強をお試ししながら本命の資格を探すといった使い方もできます。
国家資格だけでなく、ワインソムリエや日本酒検定などもありますので、転職準備と趣味の勉強を一度に行うこともできます。
まとめ
今回は、転職と資格(士業)について解説しました。
資格さえあれば必ず転職に成功するというわけではありませんが、資格があれば転職には有利になります。
資格取得したことによって自信がつけば、転職活動も前向きに、力強く進めていけるかもしれません。
あなたの転職に役立ちそうな資格が見つかったら、ぜひ資格を取得して転職に挑戦してみてください。